INTERVIEW
上田 智輝
アニメクリエイティヴ本部 制作1部
プロデューサーとして
「誰かの夢」を実現したい
【経歴】2014年新卒入社
アニメ関連書籍の編集業務などを担当→アニメ作品の宣伝アシスタント→制作業務を担当
【大学時代に熱中したこと】漫画を描くこと
【好きなエンタメ】漫画、アニメ、バラエティ、ラジオ
【最近の家での過ごし方】漫画を読む、動画配信サイトでドラマや映画を観る。
現在のお仕事の内容を詳しく教えてください
上田: 今はアニメクリエイティヴ本部でアニメの制作業務をしています。
プロデューサー(作品によってはアシスタントプロデューサー)業務と呼ばれるもので、日々勉強中です。ポニーキャニオンなどのメーカーでいうアニメ制作の仕事では、クリエイターの皆さんが作ってくださる作品の外側を作るような形で「アニメ作品が、企画・制作され、放送・公開を経て、更にDVDやBlu-rayなどで販売される」、という一連の流れに関わります。
関わり始めるタイミングは作品によって少し変わりますが、作品を立ち上げる段階から関わる場合には、プロジェクト全体をどの様に進めるか、例えば放送時期や、ターゲット層、ビジネスモデル、スタッフ・キャストなどを、他社のプロデューサー・クリエイターの方達と一緒に話し合って決めていきます。
プロジェクトが進み、作品作りに近いところでは、監督、脚本家といったクリエイターの方々と一緒にシナリオの打ち合わせなどにも参加します。
一方、社外に限らず社内では、クリエイターの方々の目指す作品の形を、作品の宣伝プロデューサーの方や、お店に商品を売り込んでくれる営業担当の方に、しっかりと伝えて一緒にビジネス面での戦略も考えていきます。
更に作品が完成し、放送などを経て、DVDやBlu-rayなどが発売する際には、プロデューサーはその商品の中身や特典なども考えます。
そうして企画されてから商品が発売されるまでの間には、クリエイターさんや他社の方含めて、本当にたくさんの方々が関わっています。チームでプロジェクトは動きますし、その中で、常に周りと意思統一していかないといけません。プロデューサーは、社内・社外問わずみんなと情報を共有していくための連絡係でもあるとも思っています。
その数多くの業務を行う際、共通して心掛けていることはありますか?
上田: 「作品を大事にする」ことだと自分は考えています。
僕達メーカーの仕事内容は、パッケージ商品や、宣伝などを通して、観てくださる方々との距離がとても近いところにあると思うので、クリエイターさん達が大事に作ってくださった作品の良さを、正しく届ける必要があると思っています。視聴者の皆さんに凄く近いところにいるからこそ、どうすれば作品がよりちゃんと伝わるかを考えられるようにしています。
やりがいを感じるのはどんな時ですか?
上田: やはり視聴者の皆さんから何かしら反響があると、「やっていてよかったな」と思います。自分が携わった映像パッケージ商品やその特典などで、お客さんが楽しんでもらえたことが分かる反応があると、心掛けていたところがちゃんと伝わっていたんだなと嬉しく思います。
アニメ作品では、ファンの方が団結して盛り上げることでムーブメントになっていくイメージがあるのですが、そういうムーブメントを作るために何か意識していることはありますか?
上田: 例えばTVアニメだと、放送期間は1クールで大体3ヶ月ですが、その放送期間に視聴者の方々がより楽しんでくれるポイントは何か、盛り上がってくださるところはどこかなどを、宣伝プロデューサーの方達と一緒に考えます。そして、それを踏まえた要素や情報をどのタイミングで入れるかが凄く大事だなと思っています。
「絶対に盛り上がる方法」のようなものは難しいと思いますが、その作品を楽しんでくださるのはどんな方々かをきちんと理解して、それに合わせたイベント企画や宣伝に対するヒントをチームメンバーと共有できるように気をつけています。観てくださっている方々の反響を見てから色々なアイデアが浮かぶことが多いとも思います。
本当にたくさんの方々と関わることが多いと思いますが、その中で大事にしていることは何ですか?
上田: 先程、連絡係でもあるともお話しましたが、1つのプロジェクトにそれぞれ違う役割の人達が社内外で関わっていらっしゃるので、コミュニケーションを齟齬無く円滑にすることが大事かなと思います。意見を聞くだけでなく、ちゃんとたくさん意見を出してくれる人との仕事は、凄くやりやすいと思うので、自分もそうできるように心掛けています。
立場や役割によって考え方も変わってくるので、「この立場の人にはこういう風に話すと伝わりやすいかも」といった意識ができるように努めています。
どんな人と一緒に働きたいですか?
上田: 多くの立場の人と仕事をしていくことになると思うので、相手の立場に立って物事を考えて会話できる人でしょうか。
それと個人的には、「凄く好きな何か」がある人は一緒に働くと楽しいなと思います。拘り、みたいなものがある人と働きたいなと思います。
学生時代に熱中したものの話などを聞くと、その人の人となりが少しわかりますし、何かに打ち込んだ経験がある人と話すと凄く楽しいです。一緒に仕事をすることで何か新しいアイデアや戦略などが思いつくのではないかな、とも思います。
僕自身は学生時代、漫画家になりたくて、そのためずっと漫画を描いていました。でも結局漫画家になるという夢は叶わず、就職活動をすることにしました。自分は「作品の中身」を作る人にはなれないんだな、と思っていたのですが、それでも作品づくりに携わりたいという気持ちがあり、それなら「作品の外側を作る人になりたい」と決めて就職活動に臨んでいました。
漫画を描くことに打ち込んだ大学時代があったからこそ、外側を作る人になるという就活の軸の様なものが見つけられたのかなと思いますが、記憶に残っている就活中のエピソードは何かありますか?
上田: 漫画を描いていたことを話す機会が思ったより多かったことです。ポニーキャニオンを含め、その話を凄く楽しく聞いてもらえることが多くて。就職活動には無縁な話かもと思っていたのですが、意外と聞いてもらえたなと思います。
ポニーキャニオンに入社を決めたきっかけは何ですか?
上田: 外側を作る仕事がしたい、という目標を考えた時に、この会社は凄く色んな部署や事業があって、色んな方向でのエンタメに携わることができると思ったことが最も大きいです。あと当時好きだったアニメの作品にポニーキャニオンが携わっていると知って、自分も近い仕事ができるのかも、と思ったことも志望理由の1つです。
実際入ってみてギャップはありましたか?
上田: 部署内にも結構色んな好みの方々がいるので、その好みの幅広さに驚きました。自分がまだまだ勉強不足なジャンルもあるとも思いましたし、一方で自分が好きなものも受け入れてもらえると感じます。一人一人の好みが尊重されていて、自分だけの「好き」をしっかり持っている人が多いですね。
今後の目標を教えて下さい!
上田: 自分は子供時代から、見ていたエンタメ、アニメや映画や漫画などに大きな影響を受けてきたので、人に何か影響を与えられるものに携わりたい、と入社時から思ってきました。そういった仕事ができたら嬉しいです。
また仕事をしていく中で感じたことですが、プロデューサーの仕事は、「こういう作品を届けたい」という僕自身の目標であったり、「こういう作品を作りたい」というクリエイターさんの想いを形にできる可能性がある仕事だと感じています。まだまだ勉強中ですが、その「誰かの想いや夢を実現できる」仕事であるということにやりがいを感じていますので、これからも精進していきたいと思います。