INTERVIEW
社員インタビュー
まず、経歴を教えてください
就職氷河期と言われる時代で、3年ぶりの新卒採用で入社したと思います。僕の時は部署別採用が行われていて、映画部で採用してもらいました。入社後、最初の配属は大阪営業所です。翌年から東京に勤務になったのですが、映画部採用だったから洋画担当かと思いきや、洋楽部の宣伝担当をすることになりました。入社5年目頃から、洋楽のA&R(アーティスト&レパートリー)をやらせていただいて、全然英語が得意じゃなかったけど、海外で買い付けなんかをやった時代もありました。今と違って海外チャートを自分で検索して全部見なきゃわからないから、世界中のチャートを見て「この曲は最近日本のクラブでも流れているから流行りそうだぞ。」というものを見つけては、他社に先駆けて日本国内の権利を買って、というビジネスをしていました。
流行りそうと思われるのは、直感ですか?
ほぼ直感ですね!中学生の頃から洋楽しか聴いていなかったから、「これは日本で流行る洋楽のパターンだ。」というのが大体わかります。それは自分が好きだったから、というのが大きいですが。あと当時はクラブに毎晩行っていたから、お客さんのノリもわかるし。DJさんは1時間ごとに変わるけど、1日に何度もかかる曲があると「これは流行りそうだな。」と思って。
好きなことをお仕事に出来ていたということですか?
そうですね。この頃が1番趣味に近いことを、仕事として注力させてもらえていたかもしれないです。そういうチャンスを20代のころからもらえていました。元々は洋画の仕事をしたいと思って入社したのですが、見事に洋楽好きなことがばれて(笑)好きなことを仕事にするって、ちょっと覚悟が要りますが、仕事としてというところを弁えつつも、常に楽しく仕事をしていましたね。
大変だったことはありますか?
30歳くらいの頃、K-POP班に異動した時にちょうど360度ビジネスが流行り始めて。いきなりA&R兼マネージャーをやるとなった時は結構ヘビーでした。韓国語は「ヨンスジュンジュセヨ(領収書ください)」くらいしかわからないから(笑)自分は完全に話術で仕事をしていたのに、話術が使えないからそれも大変だったし。今はライヴ制作の部署があって、ファンクラブやグッズ制作のチームもいるけど当時はまだ整ってなくて。全て1人でやっている様な状態でした。激務だったなと思います。でも、やればやる程どんどん色んなことが出来るようになって。あの時代のおかげで強くなったと思いますね。
韓国のアーティストを担当されるときは、
韓国語が出来なければいけないですか?
ちゃんと通訳さんを手配すれば問題無いですし、ポニーキャニオンコリアのスタッフもいるから、そういう人たちとのコミュニケーションが出来れば全然問題無いです。今は、会社の語学習得支援制度で韓国語会話を受講している人も増えていますね。
現在されているA&Rとは、具体的にどんなお仕事ですか?
社内には制作、宣伝、営業、配信など様々な部署がありますが、全部署と向き合う司令塔みたいなポジションです。アーティストやその所属事務所とも折衝しますし、媒体関係者や広告代理店とのお付き合い、フェスのブッキングなどもやります。主な業務としては、どういうシングルやアルバムにするとか、音楽作品の方向や値段までも含めた企画・相談をしつつ発売日を調整します。どの番組にでるとか、どんな宣伝をするか、どんなタイアップをつけるかも考えなくてはならないです。ニュース原稿や、雑誌の記事なんかも全部チェックしますね。あとは販促の立案もやらなければならないし、CD発売イベントの運営もです。ほんとに全部。管理していないのは制作費くらいかも。制作進行は基本的に担当ディレクターにお任せしています。
全てに携わるからこその、1番のやりがいは何ですか?
もちろん曲が流行って会社に利益が出た時は楽しいし、面白いなと思うけれど、1番面白いのって自分が担当しているアーティストのステージの袖から超満員の客席を見る時。お客さんのテンションがすごく上がっているのを見るのは本当に嬉しいです。入社2年目ぐらいの時に自分が招聘した海外アーティストのライブの盛り上がりを袖から見た時に、「この仕事一生続けられる。」と思いました。それが楽しいから、仕事が大変なのはあまり気になりませんね。
年間の計画はどのように決めていますか?
1年前には大体、「じゃあ来年のシングルは、この時期に出しましょう!」という相談や想定はしています。アルバム、ツアーの時期、タイアップなどを考慮して年間計画を考えます。アーティストとも相談しなくてはならないし。アニメのタイアップだと半年前には準備が必要です。3か月前になると楽曲作りなども佳境になっていますね。
どうしてポニーキャニオンに入社を決めましたか?
僕は長野県出身なのですが、実家のある市内に映画館が無かったんです。なので、小さい頃からの楽しみはレンタルビデオ店で映画を借りて観ることでした。それで大学3年生の夏休み、「就活どうしようかな。」なんて思っていた時に、レンタルビデオ店に行って商品のパッケージを見ていると「発売元ほとんどポニーキャニオン!?」と思うぐらいポニーキャニオン作品だらけだったんです。それが始まりですね。ただ、その時は募集していないことを知ったので他の映画会社等を狙っていて。そしたら4年生の7月ぐらいに、ポニーキャニオンが急遽新卒採用するぞとなり、慌てて応募しました。10月1日に内定をもらいましたが、ほとんど他社の就活をしていなくて。希望通り入社できたので良かったですが、本来だったらちゃんと保険の保険まで就職のことを考えるべきなので、今思えば無謀だったなと思います(笑)だけど、その時は「絶対にこの業界に入る。」と自分に暗示をかけていたと思います。そのくらいポニーキャニオンに入りたかったんです。
もしも、もう一度新卒採用の就職活動をするとしたら、
ポニーキャニオンを受けますか?
もちろんポニーキャニオンを受けますね。その時はまた保険を作らないかも(笑)この業界に関しては「やりたいことを仕事にする。」っていうのが一番大事かも。そのくらいのパッションがないとだめだと思います。それに尽きます。
今後の夢や目標を教えてください
短期目標で言うと、今の自分の仕事をとにかく成功させること。担当しているアーティストがさらに売れて、会社に利益が入るというのは当然の目標です。長期的にはちょっと夢物語ですが、いつかポニーキャニオンでクラブ経営をして、ダンスミュージックを盛り上げていきたいと思っています。お客さんの楽しむ顔が見たいので。楽しみにしててください。